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特別インタビュー①(澤 和樹さま)

 2016年に東京藝術大学、第10代目の学長として就任された澤 和樹さん。音楽家の学長就任は37年ぶり2人目。教育者として、芸術家として、芸術・音楽のもつ力、さらに紀の国わかやま文化祭への思いを伺いました。

私が音楽に興味を持ったきっかけは、幼い頃に母の読んでくれた絵本の中で、動物の弾いていたヴァイオリンを見たことでした。レッスンは厳しく大変でしたが、中学の頃からコンクールにも入賞するようになり、同好の友人も増え、音楽の道を志すようになりました。

現在のコロナ禍で、芸術は不要不急のモノとして扱われています。しかし、芸術はぜいたく品ではなく、人間が人間らしく生きるために不可欠であり、このような時にこそ力を発揮するものです。若い芸術家の人たちにはその自覚と覚悟をもってもらいたいと思っています。

さまざまな芸術の中でもとくに、“音楽の力”というのは、一瞬でその場の空気を変えてしまうことです。音楽は、考え方も環境も違う人たちに、同時に訴えかけることができるのです。

私自身、開催地であり故郷である和歌山の良さを最近ますます強く感じるようになりました。自然の豊かさはもちろん、なにより和歌山の人たちの人柄です。明るく温かく、それと同時に進取の気質もあります。

紀の国わかやま文化祭は、ご参加いただく皆さま、そして何より子供たちに、地元の素晴らしい演奏家たちと触れ合うことのできる良い機会となるはずです。

 

澤 和樹(さわ かずき) <ヴァイオリニスト>

和歌山県出身・東京都在住

東京藝術大学学長。英国王立音楽院名誉教授。日本を代表するヴァイオリニストとして国際的に活躍中。平成16年度和歌山県文化賞受賞。「きのくに音楽祭」の総監督を務めるなど和歌山県の音楽の発展に尽力。